長が〜く続けて、ゆとりある暮らし サラリーマンが家を買う(家を買わない)8つの理由を考える
資産形成系や投資系ブログを運営していると、時々出てくる話題が「賃貸vs持ち家」です。
投資系ブログでは賃貸派の考え方の方が多いということと私自身持ち家なので、私がこの話題を書くときは、やや持ち家側に立って書くようにしています。
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「賃貸vs持ち家」というのは入口の話で、家庭を持った方ならだれもは一度は検討するであろうと思います。
他人同士で議論してもそれぞれ立場が違うので正解はないというところに落ち着くのですが、だからこそ一般的な答えとして正解はないと言えそうです。
そもそも「私の人生を考える」のに一般的な正解がぴったり当てはまるというものではないわけですから、こうした議論の答えみたいなものを期待するのではなく、そうした議論の過程の中で自分自身はどうすべきかを考えるべきものです。
私の経験は、衝動買いの持ち家なので、他の方の参考にはなりません。
ただ、住宅ローンと2人の子育てを経験していることから、持ち家にするのであればこういう点を考えるべきだという感じで書いてきています。
<家を買う8つの理由>
今回は、「賃貸vs持ち家」の入口の話を少し書いてみたいと思います。
「「家を買う8つの理由」を『自宅を買うな』著者がすべて論破」という記事を見かけたのがきっかけです。
「サラリーマンは自宅を買うな」の著者石川貴康氏によれば、持ち家派が「買う理由」に挙げる代表的な意見はおおまかに以下の8通りだということです。
【1】家賃を払っても賃貸住宅は自分のものにならない。
【2】年をとると収入が減るが、自宅ならお金がかからないから安心。
【3】年をとると賃貸住宅が見つけにくい。
【4】金利が低く不動産価格が下がっている今が買い時だと思う。
【5】何かあった時に売却してお金にできる。
【6】自宅の方が設備もいいし、自由にリフォームできる。
【7】賃貸住宅は世間体が悪い。
【8】自宅を持っている方が一人前に見える。
私が家を買う検討をした時は、まさに【5】【7】【8】以外のすべてに当てはまっていました。
ライフプランを考えるようになった今では【5】は、最悪の事態が生じた時は、投げ売りになっても自宅を売却すればよいという安心感があるなと感じます。何年かは生き延びられるので。
この「家を買う8つの理由」はなかなかよくまとまっていると思います。
この本は、私の様に既に持ち家の者が読むには値段が高いし、図書館で読めるようになるのは相当な時間がかかるので、気分が乗っているうちに書く為にアマゾンのレビューを見ながら面白そうな意見を抜粋してみます。(■がレビューの転記)
■本書の趣旨を正確にいえば「サラリーマンはローンで自宅を買うな」でしょう。そして副題として「隠された銀行家の企み」とするのが分かりやすいと思います。
「住宅ローン」を組まない方が良いのは確かなので すけど、なかなかそうはいかないところです。
「住宅ローンを組んででも家を買って欲しい」と考える、不動産開発業者や銀行そして景気を良くしたい政府等の思惑は考えてみる価値はあると思います。
「住宅ローン」という言葉は、「家を買う8つの理由」というより「家を買わない8つの理由」の方に該当しそうです。
家を買う理由の反対は家を買わない理由となりますが、金利が低いからという理由だけで住宅ローンのことを簡単に処理してしまう危険性を強く訴えていくと家を買わない理由に繋がっていきます。
■特に同意できるのは、「自宅は機会損失をうむ」です。一度自宅を買ってしまうと引っ越すのが困難になり、変化への対応、チャンスへの対応が制約されます。
住宅ローンと機会喪失の話でよく話題になるのは、「住宅ローンを組むのであれば投資する方が合理的」という話なのですけど、このレビューでは「ローンの支払いのために自分や家族への自己投資が制限される」ことを懸念されています。
こうしたことは、言葉は違えど上記の関連するエントリーにもある様に、家を買い住宅ローンを組むということが人生にどのような影響を及ぼすのかをそしてどうしても苦しくなる部分を事前に見つめておくことが一番大切なんだと思います。
■本書では金銭的な損得についてのみが考慮され、自宅が住居者に与える精神的なリターン(やすらぎ、満足感など)については何も考察されていないので、金銭的なことを度外視した場合(人生を豊にするのは金だけではありませんので)にはサラリーマンがローンで自宅を買ってはいけないという説得力に欠けます。
「自分の家を持つという満足感」というのは、大きいものです。
でもよく考えれば満足度の高い賃貸もあろうかと思います。
私の感じる「満足度」も、自分自身を批判的に見てみると、自己正当化にすぎないのかもしれないと思います。
どのみち「20代後半や30代を賃貸で過ごしていたら…」というたらればのもはや比較できないことなので、自分自身の絶対的満足度が大切なんでしょうね。
それと「賃貸派vs持ち家派」に正解がないというのは、こうした精神的なリターンやそれぞれの環境の違い、そしてその人の価値観次第ということが主因だと思うんです。
そのあたりへの言及が少ないのかもしれませんが、これは語るのは難しいところでもあります。
お金的な比較は、条件設定にいろいろつっこみたくなることがあってもどの本でもやっています。
でも、答えありきの条件設定の場合が多いので、参考になるなと思う事は少ないのが実情です。
■住宅ローンを組んだとしても、自宅を買うことが、しあわせの形であるという、いつのまにか刷り込まれた曖昧な価値観を見事に突き崩してくれ、ある意味、爽快である。
家を買いたい人は、家を買うべしという本を読みがちですが、現在の自分の思いを批判的にとられていそうな本を読んでおくことが大切だと思います。
と言う私は今だからそう言えるのであって、当時は全くそんな事はしていませんでした。
今みたいにインターネットでどんな本があるのかとか、どんな考え方があるのかなんて直ぐに検索できない時代の話です。
せっかくいろんな人の考え方をインターネットから覗ける時代なんですから、いろんな考え方にふれる中で自分の答えを出していけばいいと思います。
そうすると余計に迷う人もいると思いますけど、家を買うという人生の中でも最大級の判断するのであれば「迷うならやめなさい」です。
中途半端な気持ちで買うのは、買ってしまえばもう取り返しがつかないわけですから、後悔の念が大きくなってしまいます。
家を買ったら買ったで、いろいろ後悔はあります。
「賃貸派vs持ち家派」に絶対的勝利などありません。
私達に出来るのは、将来を通じて家族が「比較的」幸せになれるであろうという選択、つまりよりベターな選択くらいなんです。
■不動産では「賃貸派」と「持ち家派」が古来よりどちらが得かという争いを繰り広げています(笑)。
結論は・・・・「人によって異なるので一概には言えない」というようなところでお茶を濁すのがせいぜいであります。
この著書は「賃貸派」で、持ち家を資産ではなく「負債」と捉えて不動産購入をするなと説いてます。
(中略)
ところが後半は一転して「不動産投資」を薦める内容になります。
前半でリスクは大家に丸投げ!と説いておいて、後半は逆に「不動産投資して大家さんになりなさい!」と説きます。
あっ、そうなんだ。
このレビューが正しければ、不動産投資への勧めってことで、人生設計的に持ち家を検討する人にとって余計な話も入っているということですね。
著者の属性を考えればそういうことかもしれないなと思いました。
ちょっと萎えてしまいましたが、「家を買う8つの理由」がよくまとまっていると思います。
家を買おうと検討している人は、「家を買う8つの理由」に対する反論すなわち「家を買わない8つの理由」という自分の考えを批判的に見てみるという視点も大事じゃないかと思います。
約15年前の私には批判的に見る視点がなく、衝動買いに一気に突っ走った反省を込めて。
<私の今の考え方>
私にとってはもはや「賃貸派vs持ち家派」の答えなどどうでも構わない(家を買ってしまえば、直ぐに価値が買値の何割引となり今更賃貸にもどれないから)のですけど、将来の娘達が必ず検討するはずなので、今の感覚で考えてみたいと思います。
【1】家賃を払っても賃貸住宅は自分のものにならない。
確かにその通りなんですけど、一方で家賃補助がある場合は有利な部分もあります。
自分のものにするといっても、それは「今がいいのか?」という問いかけが必要だと思います。
今、持ち家に対して気持ちが高ぶっているだけではないですか?
【2】年をとると収入が減るが、自宅ならお金がかからないから安心。
固定資産税ってジャブのように効いてきます。これが一番心に響いてきます。
税制が変われば固定資産税の増税もありうります。
購入時のローン手数料や団体信用生命保険料などの諸費用は、恐らく想像より多額になります。
火災保険料や家の修繕費(マンションの場合は管理費や修繕積立金)などのランニングコストも恐らく想像より多額になります。
私の場合は一戸建てなので、最初のころはマンションの管理費や修繕積立金は気の毒と感じていましたが、一戸建てとて修繕費はかかるのを実感します。
外壁塗装については自分で半年くらいかけてやったので10万円くらいで済みましたが、業者に頼めば100万円前後にはなると思います。
屋根塗装については、自分でもできなくはないですが万が一のこともあるので、雨漏りがするまで放置しておいてその時に葺き替えるつもりです。
これからは水回りの修繕もでてくるでしょう。
先日給湯器を取り換えましたが、数十万円かかりました。
賃貸ならおそらく大家さんの負担になるでしょう。
家を買うのを検討している時の想像より、いろいろお金がかかるものです。
住宅ローンを払いつつやらないといけなくなる方は、もっともっと負担感が強くなることでしょう。
【3】年をとると賃貸住宅が見つけにくい。
噂話では良く聞く話ではありますが、自分の老後の時代がどのようになっているか正確に当てられる人は皆無なので、これは考えても仕方がないのではと思います。
お金さえあれば定年後に家を買えば済む事です。
若い今、家を買うかどうかを考えるのにこの理由を考えるのは、自分の考えを正当化する材料集めに過ぎないかもしれません。
【4】金利が低く不動産価格が下がっている今が買い時だと思う。
これは後になってみないとわからない永遠の課題です。
2012年2月現在、過去に比べて低金利ですし不動産価格は低水準です。
これから「金利が上昇し、不動産価格が上がっていく」となれば、今の水準なら家を買えた人も買えなくなってしまうかもしれません。
持ち家を検討している人にとって「こうした恐怖」は強く感じる所であり、家を買う8つの理由の最大の関心事といえそうです。
これは「不動産価格の底なんて分からない」だから「家の買い時とはいえない」という話で片づけられがちですけど、それは家を今買わない人の論理であり、今家を買おうか考えている人にとっては、最大の関心事となります。
例えば、家を買いたい後輩がいて相談を受けたとします。
住宅ローンの金利負担や子どもの教育費などマネープラン上の話や現在の貯蓄能力などのキャッシュフローの話や、頭金などのストックの話などはいくらでも話が出来ると思います。
後輩の現状が相当無茶ならばアドバイスも簡単ですけど、ちょっとしんどい程度だとアドバイスは極端に難しくなります。
結局「もし買うのであれば…」というのが関の山です。
「買うな」と言った場合、それが客観的に見て正しかろうと、金利が上がって買えなくなった後にうらみ節を聞く羽目になると考えれば、「買うな」と言いきれるものでもありません。
「不動産価格の底なんて分からない」
「金利水準の底なんて分からない」
この前提で考えて、今現在、住宅ローンと向き合えるのかを真剣に考えるしかないのかもしれません。
【5】何かあった時に売却してお金にできる。
たたき売りになりそうですけど、場所が相当悪くなければいくらかはお金にできるでしょう。
ただし持ち家かどうかを検討するのにここが気になるのであれば、もっと他に重要な検討項目があるような気がします。
【6】自宅の方が設備もいいし、自由にリフォームできる。
「自宅の方が設備がいい」というのは、何を持って比較しているのかが分からないので良く分かりません。
よく聞くのは「毎月の住宅ローンの支払い額と家賃が同じ場合」なんですけど、意味が分かりません。
住宅ローンなんて組み方次第なのですから。
「自由にリフォームできる」のは、子どもの成長や独立などを考えてみると利点だと思います。
お金がかかりますけどね。
【7】賃貸住宅は世間体が悪い。
私の親世代の話でしょうか。
ただ、世間では「持ち家の人は賃貸の人より良く見える」という価値観の方が比較的多いというのはありそうです。
この【7】はともかく、次の【8】は今でもありそうです。
【8】自宅を持っている方が一人前に見える。
田舎の方だと、この考え方がまだまだ大きいです。
例えば、地域の○○会に入れるのは持ち家だけだったりします。
逆にほぼ強制的に入らなければならないとも言えます。
これが賃貸の場合となると、入れないの裏返しは入らなくて良いとも言えます。
持ち家は一人前的な考え方は、その人のこだわりだけではなく、周りの目線や地域への責任(負担)にも関係してきます。
私の場合、家を買うかどうかの判断に【7】と【8】は意識していませんでした。
実際、家を持ってみてから意識せざるを得なくなりました。
同じ子どもを持つ親なのに、持ち家だから負担しなければならないという理不尽さも場合によってはあるんですね。
<娘が持ち家を検討したら>
勝手な事ばかり書いて、答えは何も書いていなくて済みません。
「それは、あなたが決めることです。」
結局、そういうことです。自己責任で判断するしかありません。
将来の娘も自己責任で判断するしかありません。
でも親として相談を受けたならば、最終的には「それは、あなたが決めることです。」ということですけど、出来る限りのサポートをしたいと思っています。
他人と違ってかなり深い所まで事情を理解できるはずですし、娘が持ち家を選ぶのであれば、金銭的なサポートもしていくつもりです。
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